2021-03-26

どうして菊ヶ浜は、いつも美しいのだろう。

|そこにあるスタンダード| 菊ヶ浜 web版

浜崎から堀内まで、約950m続く美しき浜は、萩のスタンダードと言える風景です。
今日も、子どもと貝殻拾いに、愛犬との散歩に、ランチの癒しのひとときに、
ここを目指してみんながやって来ます。

澄んだ海の青が、とてもきれいなんです。
ぽっかり突き出ている指月山が、芸術的な構図を描き出しています。
冬には荒れることもあるけれど、たまに心が荒れて訪れたならば、
波がエネルギーをさらって穏やかにしてくれるようでもあります。

不思議なのは、萩で暮らしている人だけでなく、
新たに萩を訪れた人もそう感じること。
そんな大きな魅力ゆえ、萩のシンボルとして心に残っていくんですね。きっと。

この菊ヶ浜、いつ行ってもきれいですよね。なぜでしょう。
答えは、ゴミが打ち上がったら拾い出す素敵な大人たちがいるからです。
会の名前は、『つぎはぎvo.4』でもご紹介した「菊ヶ浜を日本一美しくする会」。
お話をうかがったのは、会長の小茅稔(こがや・みのる)さんです。
浜崎に生まれ育ち、大人になってUターンして以来、事業やまちづくりにずっと関わってこられた方。飾らずも配慮のある言葉で語りながら、どこか人を惹きつけるキュートさもお持ちです。

「以前の菊ヶ浜は、ゴミの投棄や流れ着いたものが多くて、きれいとは言えない状態。赤木新吉(あかぎ・しんきち)さんという人が一人でコツコツ掃除していた姿を見て、堀内に住んでいた大庭政雄(おおば・まさお)さんが沿岸住民や団体に声をかけ、2003年の10月31日に有志で会が立ち上がったんよ。初めは個人80人、組織が10団体くらいが参加して、浜に接するエリアで3班ができました」。
1班:浜崎、 2班:今魚店町・樽屋町・田町など街なかの人、 3班:堀内 という班分けは今も続いていて、毎年度清掃カレンダーが発行されています。原則として、第1・3日曜の午前9時から行われますが、それ以外の日時に行うのも自由。なので、小茅さんが班長も務める1班は、「カレンダー通りいかないのが浜崎」という触れ込み通り、浜が汚れたら即行動。20日間のうちに4回もやるほどの熱量です。

「汚いと、気になるけぇ〜いね。好きでやっちょるんじゃから。浜がきれいになったら、スッキリする。掃除後に腰掛けて眺めると気持ち良くて、自分も満足できるわけ〜ね。一番の醍醐味。今はポイ捨てがなくなってきたね。浜をいつもきれいにしておくことが伝わって、住民意識も変わったんかもしれんね」。

そう言って見せてくれたのは、当初から使い続けた会オリジナルの帽子。サイドは擦り切れ、サイズ調整のベルトが取れてゴムを付け、汚れは何度洗っても落ちないほど使い込み、菊ヶ浜を美しくし続けてきた日々がにじみ出ていました。

   

会員は今、30人ほど。「赤木さんの姿を見てみんながやろうとなったわけだから、僕らの背中を見て後に続く人が出たらうれしい。でも、みんな仕事があるじゃろう。じゃけぇ、無理のないところでね」。
どなたでも、手伝ってくれる人がいたらウェルカム。

「潮風に当たったら元気になれるぞ」。
赤木さんがよく小茅さんに話した言葉。今は、小茅さんが次の世代に伝えています。

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